800mのトレーニング
はじめに
800mは短距離と長距離の間に位置し、スプリント力と持久力を高度に組み合わせたトレーニングが求められます。この記事では、競技に向けた24週間の4フェーズトレーニングプログラムと、週間走行距離に応じたトレーニングの進め方について詳しく説明します。
800m競技の特性と有酸素的要素の重要性
近年の研究により、800m競技では有酸素的要素の重要性が従来の考えよりも高いことが分かってきました。そのため、800mランナーには持久力を高めるためのトレーニングが重視されています。スピードを鍛えつつ、一定の距離を維持できる体力も養成することで、レースに向けて最大限のパフォーマンスを発揮できるように準備していきます。
4フェーズのトレーニングプログラム(24週間)
このプログラムは1フェーズ6週間、合計24週間をかけ、段階的にスピードと持久力を向上させます。次に、各フェーズの内容と目的を詳しく見ていきましょう。
フェーズ1:基礎持久力の確立(Week 1-6)
• 目的:基礎持久力と体力の基盤を築く
• Qトレーニング頻度:週3回、LランニングやEランニングが中心
• トレーニング内容:
• Lランニング:距離を稼ぐことで基礎的な持久力を養います。
• Eランニング:ゆっくりとしたペースでのランニングで、持久力をさらに強化します。
• ウインドスプリント(WS):短時間の素早いランニングでフォームを整えます。
各トレーニングのペース設定は、直近のレースタイムを基に算出したVDOT値に従って決定します。
VDOTについては、VDOTとは?を参照
フェーズ2:持久力とスピードの向上(Week 7-12)
• 目的:基礎持久力を維持しつつ、スピードトレーニングの比重を増やす
• Qトレーニング頻度:週3回、インターバル走やTペース走が増加
• トレーニング内容:
• インターバル走(Iペース):短い距離を高いスピードで繰り返すことで心肺機能と筋力を強化します。
• テンポラン(Tペース):レースに近いペースで一定時間を走ることで、持久力の向上を図ります。
フェーズ3:スピード持久力の強化(Week 13-18)
• 目的:レースペースでの持久力と筋力の向上
• Qトレーニング頻度:週3回、インターバルやヒルスプリントが中心
• トレーニング内容:
• ヒルスプリント:坂道を利用したスピード走で筋持久力を高めます。
• Rペース走:レースペースに近いスピードでのインターバル走を行い、レース感覚を養います。
フェーズ4:レースピークへの調整(Week 19-24)
• 目的:疲労を抜き、レース直前に体調を整える
• Qトレーニング頻度:週2〜3回、短距離インターバルとWSが中心
• トレーニング内容:
• 短距離インターバル(Rペース):速いペースで短距離を走ることで、スピードの感覚を維持しながら疲労を抑えます。
• ウインドスプリント(WS):軽く素早い動きを取り入れ、最終調整を行います。
週間走行距離に応じたトレーニングプラン
週間走行距離ごとに、各フェーズのトレーニング内容やQトレーニングの内容が異なります。それぞれの距離(32km、64km、87km-97km)に合わせた調整内容を以下で解説します。
週間走行距離:32km
フェーズ1
LランニングとEランニングを週3回実施。持久力を徐々に向上させる。
フェーズ2
Rペースのインターバル走やTペースのテンポランで持久力とスピードを両立させる。
フェーズ3
インターバル走とヒルスプリントを取り入れ、筋力強化とスピード持久力の向上を図る。
フェーズ4
短距離インターバルとWSをメインに、疲労を取りながらピークコンディションに持っていく。
週間走行距離:64km
フェーズ1
Lランニングを中心に基礎持久力を高め、体力のベースを築く。
フェーズ2
RペースとIペースのインターバル走で、スピードと持久力の両方を向上させる。
フェーズ3
ヒルスプリントを含め、持久力と筋力を強化。レースペースに近いIペースでのトレーニングも増加。
フェーズ4
スピード系のインターバル走で最終調整を行い、レース直前の体調を整える。
週間走行距離:87km-97km
フェーズ1
長めのLランニングとEランニングで基礎体力を底上げ。
フェーズ2
RペースとIペースでのインターバル走に加え、Tランでの距離を増加させ、持久力の最大化を目指す。
フェーズ3
坂ダッシュやRペースでのインターバル走で、筋力と心肺機能を強化。レースのペース感覚も養成。
フェーズ4
短距離インターバルと軽めのWSで調整し、疲労を抜きながらレースに備える。
最後に
この24週間の4フェーズトレーニングと週間走行距離ごとの調整により、800mレースで必要なスピードと持久力のバランスが取れたトレーニングが可能になります。段階的に負荷を調整しながら、無理なく競技力を向上させていきましょう。
低酸素トレーニングとダニエルズのフォーミュラの融合
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素運搬能力の向上に大きな効果が見込まれます。
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