ランニング・フォーミュラ

VODTとは?

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VDOTとは何か?ランニングパフォーマンスとトレーニングの科学的指標

VDOTは、ランニングのパフォーマンスやトレーニング強度を定量的に評価するための重要な指標です。これは、ランニングコーチであるジャック・ダニエルズ博士が35年前に提唱したもので、多くのランナーや指導者に広く利用されています。VDOTは「V̇O2max」(ブイドットオーツーマックス)から派生した用語で、最大酸素摂取量を指標にしています。しかし、単なるフィットネスの指標ではなく、レースタイムやトレーニングペースの予測にも役立つように設計されています。


VDOTの基礎

VO2max(最大酸素摂取量)とは、最大限の運動時に体が消費できる酸素の量を示す生理学的指標です。これは、心肺機能の能力を測るものであり、持久力スポーツにおいて重要な役割を果たします。

VO2maxは通常、トレッドミルや自転車エルゴメーターなどで、呼吸ガス分析を通じて測定されます。ここで、「V̇」(ブイドット)はボリューム(量)を示し、その上に付いた「ドット」は「1分あたり」を意味します。つまり、V̇O2maxは1分間に体が取り込むことができる酸素の最大量を表しています。このドット表記により、異なる運動条件や時間で測定された酸素摂取量を正確に比較することが可能になります。

しかし、VO2maxだけではランナーの総合的なパフォーマンスを完全に評価することはできません。そこで、ダニエルズ博士はVO2maxにランニングエコノミー(運動効率)持久力などの要素を組み合わせて、VDOTという包括的な指標を開発しました。


VDOTとランニングエコノミー

ランニングエコノミーとは、一定の速度で走行する際に消費されるエネルギー量、つまり酸素消費量を示す指標です。ランニングエコノミーが高いランナーは、同じ速度で走るときにより少ない酸素を消費します。これは、効率的なランニングフォームや筋力、柔軟性などが影響します。

VDOTは、VO2maxランニングエコノミーを組み合わせることで、ランナーの実際のパフォーマンスをより正確に評価します。つまり、酸素摂取能力だけでなく、どれだけ効率的に酸素を使って走れるかを考慮に入れているのです。


VDOTの測定と計算方法

VDOTを正確に測定・計算するためには、ランナーの実際のレースタイムタイムトライアルの結果を使用します。これにより、特別な機器を必要とせずに、自分のVDOT値を知ることができます。

具体的な例:

  • あるランナーが1kmを3分30秒(時速約17.14km/h)のペースで走ったとします。このとき、標準的なランニングエコノミーカーブを用いて、この速度での酸素摂取量が約51.7ml/kg/分と推定されます。
  • さらに、そのランナーが5マイル(約8km)を28分で完走した場合、そのレース中の酸素消費量は最大酸素摂取量(VO2max)の約93.7%に相当します。
  • これらの情報を用いて、VDOT(計算上のVO2max)は、51.7ml/kg/分 ÷ 0.937 ≈ 55.2ml/kg/分と計算されます。

このように、実際のレースタイムランニングエコノミーを組み合わせることで、VDOTを算出し、ランナーのパフォーマンスを評価することができます。


VDOTとトレーニング強度の設定

VDOTは、ランナー個々の能力に応じたトレーニングペースの設定にも役立ちます。ダニエルズ博士は、VDOT値に基づいて以下のようなトレーニングペースを提案しています。

  • Eペース(イージーペース):楽に会話ができるペース。持久力の基礎を築くためのランニング。
  • Mペース(マラソンペース):マラソンレースを走るペース。
  • Tペース(閾値ペース):乳酸閾値付近のペースで、「快適なきつさ」を感じるペース。持久力とスピードの両方を鍛える。
  • Iペース(インターバルペース):VO2max付近の高強度のペース。心肺機能を最大限に高めるためのトレーニング。
  • Rペース(レペティションペース):スピードとランニングエコノミーを向上させるための短距離の全力疾走。

自分のVDOT値を知ることで、これらのトレーニングペースを具体的な数値で設定できます。


例:

1マイル(約1.6km)のベストタイムが5分44秒のランナーの場合、VDOT一覧表からVDOT値が51であることがわかります。

  • Eペース:1kmあたり4分52秒~5分29秒
  • Mペース:1kmあたり4分27秒(1マイル7分9秒
  • Tペース:1kmあたり4分11秒(1マイル6分44秒
  • Iペース
  • 400m:92秒
  • 800m:3分51秒
  • Rペース
  • 200m:43秒
  • 400m:86秒

このように、VDOTを利用することで、トレーニングの各セッションでどのペースで走れば良いかが明確になります。


VDOTとレースパフォーマンスの予測

VDOTは、他の距離のレースタイムを予測するのにも役立ちます。例えば、5kmのタイムから10kmやハーフマラソン、マラソンの予測タイムを算出できます。ただし、予測精度はレース距離が近いほど高くなります。つまり、5kmのタイムからマラソンのタイムを予測するよりも、ハーフマラソンのタイムからマラソンのタイムを予測する方が正確です。

これは、各ランナーが持つ持久力や耐久性が距離によって異なるためです。VDOTはあくまで生理学的な指標であり、個々の特性やレース当日のコンディション、コースの難易度なども考慮する必要があります。


VDOTと年齢・性別の関係

VDOTは、年齢や性別に関係なく、ランナーのパフォーマンスを評価することができます。一般的に、男性の方が女性よりもVDOT値が高くなる傾向がありますが、VDOT値が同じであれば、男女問わず同等のパフォーマンスを発揮していると言えます。

また、年齢によるパフォーマンスの変化もVDOTで評価できます。ダニエルズ博士は、さまざまな年齢層のランナーのデータを集めて、年齢に応じたVDOTの変化を示す表も作成しています。これにより、自分の年齢でのパフォーマンスがどのレベルにあるのかを知ることができます。


科学的背景

VDOTの計算には、長年にわたる研究とデータ収集によって得られた生理学的な数式が用いられています。ダニエルズ博士とジミー・ギルバート氏は、多くのランナーのVO2max、ランニングエコノミー、レースタイムなどのデータを収集・分析し、それらを基にVDOTの概念を確立しました。

これらの研究によって、以下のことが明らかになりました。

  • ランニングエコノミーの標準的なカーブ:速度と酸素消費量の関係を示す。
  • レース持続時間と%VO2maxの関係:レースの長さに応じて、どの程度の%VO2maxで走るのが適切か。

これらのデータと数式を用いて、VDOTはランナーのパフォーマンスを総合的に評価し、トレーニングプランやレース予測に活用されています。


まとめ

VDOTは、ランナーの持久力、スピード、効率性を総合的に評価する科学的な指標です。VO2maxやランニングエコノミー、レースタイムなどのデータを組み合わせて、個々のランナーに最適なトレーニングペースやレース予測を提供します。

VDOTを活用することで、以下のメリットがあります。

  • 個々の能力に応じたトレーニングペースの設定:効果的なトレーニングが可能になります。
  • レースパフォーマンスの正確な予測:目標設定やレース戦略の策定に役立ちます。
  • 年齢や性別を超えた公平な評価:自分のパフォーマンスレベルを客観的に知ることができます。

ランナーとして成長するために、VDOTを理解し、自分のトレーニングに取り入れてみてはいかがでしょうか。

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低酸素トレーニングとダニエルズのフォーミュラの融合

ここで、トレーニング効果をさらに高めるために注目されているのが低酸素トレーニングです。低酸素環境下でのトレーニングは、体が酸素不足に適応しようとするため、V̇O2maxや持久力の向上に効果的とされています。

ダニエルズのフォーミュラを基にしたトレーニングに低酸素トレーニングを組み合わせることで、短期間でのパフォーマンスアップが期待できます。特に、IペースやTペースのような強度の高いトレーニングを低酸素環境で行うと、心肺機能の強化や酸

素運搬能力の向上に大きな効果が見込まれます。

弊低酸素トーレニングジム RUNNING FACTORY では、あなたの目標に応じたトレーニングプランをカスタマイズし、さらなるパフォーマンスアップをサポートします。興味のある方はぜひお問い合わせください。

書籍の紹介

Eランニングやその他のランニングメソッドについて詳しく知りたい方におすすめの書籍があります。ジャック・ダニエルズ氏の名著『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』は現在第4版が出ています。この最新版では、従来のランニングに加え、トライアスロンやウルトラマラソンのためのトレーニング方法も追加され、より幅広いランナーに対応しています。

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