Eランニング(イージーランニング)について
Eランニングとは、著名なトレーニング理論家ジャック・ダニエルズ氏が提唱するトレーニング方法の一つで、主に持久力を向上させることを目的としています。
「E」は「Easy」を意味し、その強度はVO2maxの59~74%、HRmaxの65~79%に位置します。
Eランニングは、心身に無理なく行うことができるため、特に初心者から経験者まで幅広く利用されています。
Eペースの目的
ケガの予防
Eランニングは、練習の大部分を楽なペースで行うことから、ケガのリスクを大幅に減少させます。
ランニングにおける高負荷のトレーニングは、筋肉や関節に過度なストレスをかける可能性があるため、特に初心者や復帰したランナーにとって、Eランニングは安全な選択肢です。
楽なペースでの練習が積み重なることで、身体は徐々に耐性を高め、外的な負荷に対する抵抗力を育むことができます。
基礎作り
トレーニングプログラムの初期段階や、数週間・数ヵ月間の休養から復帰した際には、Eランニングが特に効果的です。
このようなトレーニングは、体力を無理なく向上させる手段として役立ちます。
Eランニングは、気楽な運動と同じような効果を持っているため、ストレスを感じずに身体を動かすことができ、持続的な運動習慣の形成にも貢献します。
心筋の強化
Eランニングは心筋の強化にも寄与します。
心臓は、約60%のHRmaxで収縮力が最大に達するため、楽なペースでのランニングが心筋の発達に非常に効果的です。
心拍数が上昇することで血液の拍出量が増え、心筋に負荷がかかる一方で、身体は過度なストレスを感じることはありません。
このバランスが、心筋の発達を促進するのです。
さらに、心臓が活発に働いていることで、心肺機能が向上し、持久力が増すことにもつながります。
血管新生の促進
Eランニングによって、筋肉に栄養や酸素を供給する新しい細い血管が生成され、筋肉の適応が進みます。
この過程で、心臓は大量の血液と酸素を活動筋に供給し、筋線維はその刺激に応じて変化します。
この適応が進むことで、筋肉はより多くの酸素を受け取れるようになり、効率的にエネルギーを転換できるようになります
トレーニングアドバイス
Eランニングを実施する際は、少なくとも30分は続けることが推奨されます。
これは、30分を超えることで身体に与える効果が大きくなるためです。
特に、持続的なトレーニングにおいては、150分を上限とすることが望ましいです。
これは、ウルトラマラソンの練習を除き、一般的なマラソンのトレーニングにおいても同様です。
練習の進め方
- 初期段階の練習量:
トレーニング初期は、毎週少しずつ(例:10%ずつ)増やすことが基本とされていますが、最初の4週間は週16kmをキープし、その後、1週間あたり8km増やすのが理想です。これにより、身体が新たな距離に慣れる時間を持つことができます。 - ランニング時間の調整:
トレーニング時間は、天候や状況に応じて調整可能です。一度シーズンの上限まで走る時間を増やしたら、臨機応変にトレーニング量を調整することが重要です。 - Eデーの設定:
Eデーは、質の高い練習(Qトレーニング)から十分に回復するための日と位置づけられます。Eデーを設けずにQトレーニングを増やすことは、身体への負担を増大させ、回復が不十分になるリスクが高まります。
Eデーの重要性
Eデーは、目標走行距離を達成するための距離を確保する機会とも考えられます。
たとえば、1週間の目標走行距離が64kmの場合、Eデーを活用して不足分を補うことで、計画的にトレーニングを進めることができます。
休養日を設けることで、突発的な用事や天候不良にも対応しやすくなり、より効果的なトレーニングが可能となります。
Eランニングのペースについて
Eランニングは、VO2maxの59~74%、HRmaxの65~79%という強度で行われることが一般的ですが、場合によってはこれよりも少し速め、あるいは遅めのペースのほうが快適に感じられることもあります。
重要なのは、どんなペースであれ良いフォームを維持することです。
特に非常に遅いペースで走る場合、フォームが崩れるとケガの原因になる可能性があります。
疲れている日や動きが重いと感じる日には、無理せずランニングを休むことも大切です。
無理をして走るより、休養が結果的にケガ予防につながることがあります。
Eランニングのペースは、レースペースより1マイル(約1.6km)あたり2~3分、1kmあたりでは約1分15秒~1分52秒ほど遅いペースです。
このため、無理なく行えるトレーニングとして多くのランナーに適しています。
Lランニング(ロングラン)と走行距離の増やし方
Lランニングは通常、Eペースで行われ、1回のランニングで走る距離は週間走行距離の30%以下に抑えることが推奨されています。週間走行距離が64km以上の場合、25%もしくは150分間走を上限とするのが一般的です。
週間走行距離を増やす際には、まず4週間同じ距離を維持してから増加させることが重要です。このアプローチは、身体が新たな負荷に適応する時間を確保するためです。また、体調が思わしくない週やコンディションが悪い時は、無理せずLランニングの時間を短縮することが推奨されます。
マラソンを5時間以上かけて完走するランナーにとっては、32km以上の距離を走る練習が非常に負担になります。そのため、トレーニングでは距離よりも時間を基準に設定し、長時間のランニングが必要ない場合でも効果的な練習ができるように調整することが重要です。
Lランニングの主な効果には、ケガに対する耐性の向上、心筋の強化、酸素運搬能力の向上、筋線維の適応促進などがあります。さらに、このトレーニングを続けることでメンタル面での自信も養われ、長時間走ることへの抵抗感が少なくなります。
まとめ
Eランニング(Eペース)は、心身への負担を抑えながら安全にトレーニングを進めるための重要な要素です。
ケガの予防や基礎体力の向上、心筋の強化、さらには血管新生の促進など、様々な面で効果を発揮します。
これにより、特に初心者や復帰中のランナーは、無理なく持続的なトレーニングを行うことができます。
また、Eランニングは「質の高いトレーニング(Qトレーニング)」を補完し、長期的な目標達成のために重要な役割を果たします。
トレーニングの効率を高め、ケガなく続けるために、ぜひEペースを意識したランニングを日々の練習に取り入れてください。
特にジャック・ダニエルズ氏の理論に基づいたトレーニングプランを活用すれば、初心者から経験豊富なランナーまで、誰でも効果を実感できるでしょう。
低酸素トレーニングとダニエルズのフォーミュラの融合
ここで、トレーニング効果をさらに高めるために注目されているのが低酸素トレーニングです。低酸素環境下でのトレーニングは、体が酸素不足に適応しようとするため、V̇O2maxや持久力の向上に効果的とされています。
ダニエルズのフォーミュラを基にしたトレーニングに低酸素トレーニングを組み合わせることで、短期間でのパフォーマンスアップが期待できます。特に、IペースやTペースのような強度の高いトレーニングを低酸素環境で行うと、心肺機能の強化や酸
素運搬能力の向上に大きな効果が見込まれます。
弊低酸素トーレニングジム RUNNING FACTORY では、あなたの目標に応じたトレーニングプランをカスタマイズし、さらなるパフォーマンスアップをサポートします。興味のある方はぜひお問い合わせください。
書籍の紹介
Eランニングやその他のランニングメソッドについて詳しく知りたい方におすすめの書籍があります。ジャック・ダニエルズ氏の名著『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』は現在第4版が出ています。この最新版では、従来のランニングに加え、トライアスロンやウルトラマラソンのためのトレーニング方法も追加され、より幅広いランナーに対応しています。
ダニエルズのランニング・フォーミュラ 第4版(単行本)
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また、Kindleでも購入可能なので、電子書籍としても利用できます。
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