ダニエルズのランニング・フォーミュラとは?
ダニエルズのランニング・フォーミュラとは?
「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」は、世界屈指のランニングコーチであるジャック・ダニエルズ博士が長年にわたる研究と指導経験を通じて開発したトレーニングメソッドです。彼は「世界最高のランニングコーチ」として知られ、特に中長距離ランナーのパフォーマンス向上を支援してきました。
このフォーミュラの目的は、ランナーが効率的かつ怪我を最小限に抑えた形でパフォーマンスを最大化できるようにすることです。トレーニングプログラムは科学的なデータに基づき、個々のランナーの能力や目標に合わせて調整されます。ダニエルズ博士の最も注目すべき貢献は、「VDOT」という指標を活用して、各ランナーの最適なペースやトレーニング強度を決定するシステムを作り上げたことです。
書籍
書籍は現在第4版が出ており、第3版と比べ文字も見やすくトライアスロン、ウルトラマラソンなども追加されています。
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ジャック・ダニエルズ博士の背景
ジャック・ダニエルズ博士は、オリンピックの近代五種競技において2度のメダルを獲得したアスリートでもあり、世界選手権でも優勝を果たしています。その後、アメリカとスウェーデンでスポーツ科学を学び、ウィスコンシン大学で運動生理学の博士号を取得しました。スウェーデンでは、スポーツ科学の権威ペル・オロフ・オストランド博士の指導を受け、運動生理学を専門的に学びました。
彼の運動生理学に基づくトレーニング手法は、数多くのランナーに応用され、その中で生まれた「VDOT」はランナーのトレーニングペースを科学的に設定するための指標として広く知られています。ダニエルズ博士が指導してきた55年以上のキャリアの中で、彼のメソッドは何千人ものランナーのパフォーマンス向上に寄与してきました。
VDOTとは何か?
「VDOT」とは、ダニエルズ博士が作り出した独自のトレーニング指標で、最大酸素摂取量(V̇O2max)を基にしてランナーのパフォーマンスレベルを数値化するものです。V̇O2maxは、体が酸素をどれだけ効率的に利用できるかを示す指標ですが、VDOTはこれをさらに進化させ、トレーニングやレースにおいてより実用的なものにしています。
VDOTは、ランナーが自分の現在のフィットネスレベルに基づいた最適なトレーニングペースやレースペースを設定するために役立ちます。具体的には、VDOTを使用することで、ランナーは過度なトレーニングや過小なトレーニングを避け、常に最適なペースでトレーニングできるようになります。
ダニエルズのランニング・フォーミュラの基本的な構成
ダニエルズのランニング・フォーミュラでは、ランナーが効率的にトレーニングできるように4つのトレーニングゾーンが設けられています。それぞれのゾーンには異なるトレーニング目的があり、バランスよく組み合わせることで、総合的なパフォーマンス向上を目指します。
- Eペース(イージーペース)
Eペースは、リカバリーや基本的な持久力を向上させるための低強度のペースです。体に無理をかけず、リラックスした状態で走ることを重視します。このペースでのランニングは、長期間にわたるトレーニングを可能にし、疲労を最小限に抑えながら持久力を高めます。 - Tペース(閾値ペース、スレッショルドペース)
Tペースは、乳酸閾値(ラクトートスレッショルド)を改善するためのペースです。このペースでのトレーニングは、乳酸の蓄積を遅らせ、より長時間高い強度で走る能力を養います。ランニングエコノミーの向上と、より速いペースで長く走れるようにするための鍵となるトレーニングです。 - Iペース(インターバルペース)
Iペースは、V̇O2maxを向上させるために行われる高強度のトレーニングです。このペースでのトレーニングは、心肺機能を高め、酸素を効率的に利用する能力を鍛えます。インターバルトレーニングとして実施されることが多く、短い距離を高強度で走るセッションが含まれます。 - Rペース(レペティションペース)
Rペースは、スピードとランニングフォームの改善を目指したトレーニングです。このペースでは、無酸素性のエネルギー供給を活用し、スピードを強化することが目的です。Rペースでの練習は、ランナーのスピードと反応性を鍛えるために短い距離を高強度で繰り返し行います。
ダニエルズのランニング・フォーミュラのメリット
- 個別対応のトレーニング:VDOTを使用して、ランナーの現在のフィットネスレベルに応じた個別のトレーニングプランを立てることができるため、無理のない範囲でパフォーマンスを引き出せます。
- 怪我のリスクを軽減:適切なトレーニング強度で行うため、怪我のリスクを最小限に抑えつつ、持続的にパフォーマンスを向上させることが可能です。
- レース準備に最適:トレーニングゾーンの組み合わせによって、レースに向けた効率的な準備ができるため、レース日には最高のコンディションで挑むことができます。
低酸素トレーニングとの組み合わせ
ダニエルズのランニング・フォーミュラは、低酸素トレーニングとの相性も非常に良いとされています。低酸素環境では、酸素の供給が制限されるため、体が酸素を効率的に利用する能力を鍛えることができます。これにより、VDOTを用いたトレーニングゾーン内でのパフォーマンスがさらに向上し、特に持久力や心肺機能の強化が期待できます。低酸素トレーニングを導入することで、ランナーは平地でのトレーニングよりも短期間で効率的な結果を得られることが多いため、フォーミュラを補完する有効な手段として活用できます。
RUNNING FACTORY ではランニングフォーミュラを組み合わせたトレーニングをお勧めしています。
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次回の記事では、トレーニングの基本原理についてさらに詳しく紹介します。
VDOTや各トレーニングゾーンが、どのように日々のトレーニングに組み込まれ、レースパフォーマンスの向上に寄与するのかを掘り下げていきます。
ダニエルズのランニング・フォーミュラにおけるトレーニングの基本原理
