Mペースランニング
Mペースランニング(マラソンペースランニング)は、実際のマラソンレースを想定したペースで行うトレーニングです。
このトレーニングの目的は、レースペースに慣れ、給水のタイミングやエネルギー補給の練習を行うことで、レース本番に向けての準備を整えることです。
特にマラソン初心者や、これまでマラソンペースでの練習を行っていないランナーにとっては、メンタル的な自信を強化する効果も期待できます。
練習の目的をきちんと理解しながら取り組むことで、体の変化に気づきやすくなります。何のための練習なのかを常に意識することで、無駄な練習や無駄な動きを発見できるようになり、次第に練習が効率的になっていきます。
ランニングは、ある程度の練習を積めば自然と速くなるものですが、やはり自分で獲得した能力をしっかりと実感したいものです。
Mペースの決め方
VDOT計算機などを使って、過去のレース結果から適正なMペースを予測します。
https://vdoto2.com/calculator/
VDOTは異なる距離のレースで同等のパフォーマンスを示すタイムを一覧にしたものであり、比較的長い距離のレース(ハーフマラソンや10kmレース)がMペースの目安として適しています。
たとえば、10kmレースの結果に3分程度を足すことで、10kmのMペースタイムを算出することができます。この方法は、最近走ったレースタイムを基に予測するため、特に経験の少ないランナーにとって役立ちます。
Mペースランニングの生理学的負荷
Mペースランニングの強度は、VO2maxの75~84%、および**HRmax(最大心拍数)の80~89%**に相当します。
これは、Eペース(イージーペース)よりも少し速いペースであり、トレーニング効果を高めつつも、長時間のランニングを行うことが可能です。
練習時間と距離の上限
Mペースランニングには、練習時間や距離の上限を設けることが推奨されます。
長時間走ること自体に価値がありますが、過剰な負荷をかけないように、以下の上限を守ることが大切です。
- 持続的なMペースランニング:110分間または29kmのいずれか少ない方
- ミックス練習の場合:1回あたりのMペースの合計は、週間走行距離の20%または29kmのいずれか少ない方
これにより、怪我のリスクを最小限に抑えつつ、効率的なトレーニングができます。
MペースとEペース、Tペースのミックス練習
Mペースランニングに、Eペース(イージーペース)やTペース(閾値ペース)を組み合わせたミックス練習も有効です。これにより、持続的なMペースランニングを行う場合よりも短い時間であっても、より多くのトレーニングを行うことができます。
たとえば、以下のようなミックス練習が考えられます:
- Eペースで一定時間走った後、Mペースでのランニングに切り替える。
- Tペースでの短いランニングを挟みながら、Mペースを維持する。
このような練習を通して、ペースの変化に対応する能力を養い、Mペースでの持続的な走行時間を効率的に伸ばしていくことが可能です。
Mペースランニングの目的
Mペースランニングの最大の目的は、マラソン本番でのペースに慣れることです。これは、生理学的にはEペースと似た効果を持ちながらも、マラソンレースに向けて精神的な自信を高めるための重要なトレーニングです。
特に長時間レースペースで走ることにより、レース本番で必要となる耐久力や持久力を体に覚えさせます。
もう一つの重要な目的は、給水やエネルギー補給のタイミングを習得することです。
マラソンでは給水や補給がパフォーマンスに直結するため、練習中に実際のレース状況を想定して給水の練習を行うことが、レース本番の成功に繋がります。
エネルギー管理と燃料
Mペースランニングを行う際、時にはエネルギードリンクなどを摂取せずに走ることも推奨されます。
これにより、身体は蓄えられた筋グリコーゲンを節約し、脂肪代謝を促進するようになります。
このようなエネルギー管理を練習することで、レース本番での効率的なエネルギー消費が可能になります。
ただし、水分補給は適宜行うことが重要です。
エネルギーを節約するためのトレーニングとして、Eペースランニングを長く続ける方法も効果的です。こうした練習は、特に長距離走での燃料効率を高めることを目指しています。
Mペースランニングの効果
Mペースランニングの主な効果は、マラソン本番でのメンタル的自信を向上させることにあります。設定ペースで長時間走ることによって、レース当日にもそのペースを維持できるという安心感を得ることができます。
また、マラソン経験のないランナーにとっては、Mペースランニングを通じて、Eペースよりも速いペースで長時間走り続けられる自信をつけることが可能です。この自信が、レース当日にも役立つことは間違いありません。
EペースとMペースの違い
ここで違いを理解しておきましょう!!
ペースの速さと目的の違い
- Eペース(イージーペース)
- 速度:
ゆったりとしたリラックスしたペースで走ることを目的としています。
会話ができる程度の余裕があるペースです。 - 目的:
持久力の向上や疲労回復を目的にしています。
体に大きな負荷をかけず、長時間走り続けることで、筋肉や心肺機能を強化します。また、トレーニング後のリカバリー(回復)の一環として使われることが多いです。 - 強度:
VO2maxの59~74%、HRmaxの65~79%。
かなり低強度のランニングで、心拍数や筋肉に対する負担が少ないため、疲れにくいのが特徴です。
- 速度:
- Mペース(マラソンペース)
- 速度:
実際のマラソンレースで走る予定のペース、つまりマラソンの目標タイムを達成するためのペースです。
Eペースよりも速いペースであり、一定の負荷を体にかけながらも長時間維持できる速度です。 - 目的:
マラソンのレースペースに慣れることが主な目的です。
また、給水の練習や長時間のペース維持による精神的な自信の向上にも役立ちます。
特に、レースペースでの長時間の持続が求められるため、レース本番でのパフォーマンスを意識したトレーニングになります。 - 強度:
VO2maxの75~84%、HRmaxの80~89%。
Eペースより強度が高く、より心肺機能や筋力を刺激するトレーニングです。
- 速度:
練習内容の違い
- Eペースランニング:
通常、長時間走ることが多く、ランニングの距離を伸ばすためのトレーニングとして使われます。
疲労回復のために、テンポがゆっくりであることが大切です。
ランニング初心者でも取り入れやすいペースで、体への負担が少ない分、頻繁に行うことが可能です。 - Mペースランニング:
マラソン本番のシミュレーションとしての役割があり、ペース感覚の習得やレースの戦略を考慮した練習として行われます。
長時間の持続ランや給水のタイミングを練習するため、実戦的なトレーニングとして位置付けられます。
トレーニング効果の違い
- Eペースランニングの効果:
- 持久力を高め、心肺機能を強化する。
- 疲労回復を促進し、翌日のトレーニングに向けた準備を整える。
- 心拍数が低めなので、リラックスした状態で走り続けることができる。
- Mペースランニングの効果:
- マラソン本番でのペース維持能力を向上させる。
- レースペースで長時間走ることへの自信を高める。
- 給水やエネルギー補給の実戦的な練習ができる。
走行時間・距離の違い
- Eペースは、体に大きな負担をかけないため、長時間走ることが可能です。場合によっては数時間のランニングにも適しており、トレーニングの総走行距離を増やす際に多く用いられます。
- Mペースは、長時間走ることができるペースではありますが、負荷が高くなるため、上限が設けられることが多いです。一般的に、Mペースの持続時間や距離は、110分間または29kmまでとされることが多いです。
まとめ
Mペースランニングは、マラソンに向けた準備として、ペース感覚の習得と精神的な強化に欠かせないトレーニングです。
給水やエネルギー管理の実践も含めたこのトレーニングにより、レース本番での持久力とパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。
低酸素トレーニングとダニエルズのフォーミュラの融合
ここで、トレーニング効果をさらに高めるために注目されているのが低酸素トレーニングです。低酸素環境下でのトレーニングは、体が酸素不足に適応しようとするため、V̇O2maxや持久力の向上に効果的とされています。
ダニエルズのフォーミュラを基にしたトレーニングに低酸素トレーニングを組み合わせることで、短期間でのパフォーマンスアップが期待できます。特に、IペースやTペースのような強度の高いトレーニングを低酸素環境で行うと、心肺機能の強化や酸
素運搬能力の向上に大きな効果が見込まれます。
弊低酸素トーレニングジム RUNNING FACTORY では、あなたの目標に応じたトレーニングプランをカスタマイズし、さらなるパフォーマンスアップをサポートします。興味のある方はぜひお問い合わせください。
書籍の紹介
Eランニングやその他のランニングメソッドについて詳しく知りたい方におすすめの書籍があります。ジャック・ダニエルズ氏の名著『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』は現在第4版が出ています。この最新版では、従来のランニングに加え、トライアスロンやウルトラマラソンのためのトレーニング方法も追加され、より幅広いランナーに対応しています。
ダニエルズのランニング・フォーミュラ 第4版(単行本)
Amazon
また、Kindleでも購入可能なので、電子書籍としても利用できます。
ダニエルズのランニング・フォーミュラ 第4版(Kindle版)
Amazon Kindle
